今年度の研修懇談会では、生物多様性をテーマに取り上げました。
2021年・2022年に開催されたCOP15を受け、国内では「生物多様性国家戦略2023-2030」が策定されました。世界的には気候変動と並ぶ大きな地球の危機として、生物多様性損失への対応が両輪で進められていますが、国内での取組は世界に遅れを取っていると指摘されています。
こうした課題意識から、幹事会においてテーマ設定をしたものです。
当日は二人の講師をお迎えし、具体的かつ熱量の高いご講演をお伺いすることができました。
日時 2024年11月29日(金)10:00~11:30
講演 1.生物多様性保全と気候変動対策の両立に向けて
講師:長谷川明子氏(名古屋大学大学院特任教授/1級ビオトープ計画管理士)
2.兵庫県伊丹市における生物多様性地域戦略の推進について
講師:原田修氏(伊丹市役所みどり公園室みどり自然課)
長谷川先生のご講演では、生物多様性損失の現状について厳しいデータが示され、生物多様性条約の概要と進捗、昆明・モントリオール枠組について解説いただきました。さらに、生物多様性保全と気候変動対策を両立する国内外の事例について、事業の内容と成果、体制等についてもご紹介いただきました。日本が生物多様性のホットスポットであることを認識し、自治体ごとに新たな制度を導入してしくみを変えることで、2050年の「自然と共生する社会」を実現するべきというメッセージをいただきました。
伊丹市・原田様のご講演では、環境基本計画と生物多様性みどりの基本計画の関係、生物多様性みどりの基本計画に基づく各種事業をご紹介いただきました。都市化が進む地域において、公園緑地を核として市民や企業の参画を得ながら保全し、生態系を回復させてきた実績や、小学生向けの学習の充実、市民の育成など、多角的な取組をされている様子がよく理解できました。
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