投稿日2015年2月1日 寄付型の市民共同発電所による再生可能エネルギー導入事業

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概要

目的

  • 市民や企業など地域の多様な主体の参加による寄付型の地域発電所を実現する。
  • 発電所を設置した施設を、実践的な環境学習拠点と位置づけ、日常的な環境活動を行う場や人材を創出する。

実施概要

  • 市民団体等の公益的な地域の団体が、地域の多様な主体と協力し、広く建設寄付金等を集め、市民共同発電所を実現する。
  • また、建設資金の調達とともに、市民参加型の発電所設置に関するアドバイス等を行い、地域の再生可能エネルギーの導入を促進する。
  • 自治体が、補助金や公共施設の屋根貸し、基金の造成といったさまざまな形態で支援するケースもある。

期待効果

その他、特徴的な効果

  • 完成した市民共同発電所が地域の環境学習拠点として活用できる。また、節電意識が高まるなど、ライフスタイルの変革を促進できる。
  • 売電収入を、次の市民共同発電所の建設資金や地域のニーズに応じた用途に活用できる。

実施内容とポイント

全体を通じたポイント・考え方

  • 地域にひらかれた、多くの人が集まる施設等を地域の発電所とすること。
  • 発電所づくりを推進する公益的な団体をはじめ、地域における多様な主体と連携して進めること。
  • 市民共同発電所を設置した施設を環境に配慮した施設としたり、継続的に環境学習を行う施設とすること。

ステップ1発電所の企画・設置

パーツ1 発電所の設置場所の選定、決定

実施内容 発電所の設置場所を選定、決定する。
ポイント・考え方 屋根形状や周辺環境(影の有無や方位など)、送電網の状況などが、発電に適した環境かどうか確認して選定、決定する。

パーツ2 市民共同発電所推進団体と発電所を設置する施設との間の協議

実施内容 事業の進め方や連携について、市民共同発電所推進団体と発電所を設置する施設で協議する。
ポイント・考え方 発電所の実現に向けた協力体制や、発電所の設置後の環境学習および売電収入の一部基金化への協力などについて、詳細設計する。

パーツ3 建設資金の調達と建設

実施内容 施設関係者や地域、一般向けに、寄付金の供出を呼びかけ、資金を調達し、発電所を建設する。なお、設備の設置主体(電力会社との契約主体)は、設置施設の管理者がなる場合と呼びかけをした市民団体がなる場合の2ケースが主ケースである(前者は市民団体が建設資金を寄付することとなり、後者は設置施設の管理者が設置施設と屋根を無償等で貸与することとなる)。
ポイント・考え方
  • 設置施設の管理者も資金を用意することで、スピーディな実現が可能になる。
  • 寄付金とあわせて、補助金等を設置施設の責任者と連携して申請することが望ましい。なお、必要に応じて借入金(建設協力金)も呼びかける。
  • 寄付金等を「省エネ分程度」として呼びかけるケースもある。
  • 建設(およびその後の保守ならびに維持管理)はできるだけ地域の事業者に委託する。

パーツ4 地域の多様な主体との連携、広報

実施内容 発電所を設置する施設と連携し、事業の紹介を行う。
ポイント・考え方
  • イベントや説明会、設置施設の関係者、子供たちを巻き込む機会等、愛着が増す仕掛けを行う。

ステップ2建設した発電所・売電収入等の活用

パーツ1 事業のPRや発電設備について情報発信

実施内容 わかりやすく、継続的に情報を発信することで、事業や市民共同発電所の意義を見える化し、関係者の参加意識を維持する。
ポイント・考え方
  • 点灯式の実施、発電量や環境負荷低減効果を示す表示盤の設置・Web上での発信、パンフレットの作成等の、情報発信の工夫を行う。
  • 環境負荷低減効果を、「森林**分、*世帯分の年間電力消費量」など、イメージしやすい表現とすることが望ましい。
  • 太陽光パネル裏へ、寄付者や施設関係者、子供たちの寄せ書きを行うなど、参加意識を増す仕掛けを行うことが望ましい。

パーツ2 環境学習の実施

実施内容 設置施設を、地域の環境学習の拠点と位置づけゲームやスタディツアー、自然観察会等、多様な機会の下、太陽光発電のみに関わらず、省エネや気候変動、ごみ削減やグリーンコンシューマー等、多様なテーマで継続的に環境学習を実施する。
ポイント・考え方
  • 施設利用者や職員、その家族、子供から大人へ、地域への波及効果を想定して企画する
  • 施設自体が環境に配慮した施設となるよう協力する(例:雨水タンク設置、畑作り)
  • 教育施設の場合、職員とともに教材開発をすると効果的。
  • 日常的に環境に配慮した暮らしを実践できる地域の拠点の増加につなげる。

パーツ3 売電収入の2次的な活用

実施内容 売電収入のうち一定額を“基金”に寄付する仕組みを作る。“基金”は、市民共同発電所の継続的な設置や、地域の環境団体の活動支援等に活用する。
ポイント・考え方 売電収入の活用内容や基金等の仕組みを、地域の特性を生かした内容にし、発電所の設置主体や市民団体等の目的に応じてデザインすることで、地域の共感を得ていく。

実施主体・協働・推奨される自治体

実施主体

住民・団体・公益的な施設運営者等

住民・行政参加度

総合
住民・事業者主体
資金
住民・事業者4:行政主体2
マンパワー
住民・事業者主体

推奨自治体の自然・社会的要件等

  • 寄付型の市民共同発電所は、小規模から実現しやすい太陽光発電が主な実践例であり、適地に偏りがなく全国的に見られる。また、省エネ事業に応用可能。
  • 自然資源の比較的豊富な農山村地域では、大規模な太陽光発電や小水力等の分野でも、建設資金の一部として寄付を募る形態がみられる。

参考事例

自治体名京都府、埼玉県
事例名きょうとグリーンファンド、 埼玉県市民共同太陽光発電事業補助制度
参考URL1http://www.kyoto-gf.org/index.html
参考URL2http://www.pref.saitama.lg.jp/page/h25-shiminpv.html 
参考事例の特徴誰もが無理なく参加して、地域で実現する市民共同発電所。創エネと省エネの実践の場、環境学習の拠点として、地域の人と活動と売電収入を有機的につなげ、持続可能な社会作りの発信源となります。